スタッフレビュー

MOVIE REVIEW  

上映作品紹介 & スタッフ レビュー

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更新日 2009-01-04  

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

1994 / 49min

 
fireworks■STORY
小学生の典道、祐介、純一らは、花火を横から見ると丸いのか、平べったいのかという素朴な疑問を持ち、花火大会の夜その答えを見つけに灯台へ行くことを計画する。一方、なずなはその日、典道か祐介のどちらかプールでの勝者とカケオチすることを企てた…。
 
■STAFF REVIEW
男性にとって奥菜恵さん演じるナズナは、こんな子がいたらいいのにと思う理想の女の子!
女性にとっては、こんなわがままでかわいい子になれたらいいのにと、ついつい思ってしまう女の子ではないでしょうか。山崎裕太さん演じるノリミチは、どのシーンをとってみても、ナズナの一挙一動に翻弄されてしまいます。ナズナはわがままに、かわいらしく次第に美しく、ノリミチを振り回すのです。ナズナにとってみれば、ただの花火大会の日でもなく、ただの登校日でもない特別な日だからこそ大胆な行動、発言ができたのでしょう。
そんなことは知らないノリミチは、どうしようもなくナズナに翻弄されていますが、その様子、表情がなんともかわいいと思ったのは私だけではないはず。困った顔しながらも、優しくついて来てくれるノリミチだからこそナズナも、わがまま言えたのだろうと思うのです。
とにかく皆さん、ナズナのいたずらっ子のような笑顔を見て、ノスタルジーな気分に酔いしれてください!   ----- staff  shibata -----
fireworks 
 
 
 

 

スワロウテイル

 

1996 / 148min

 
swallowtail■ストーリー
紙幣偽造のデータを手に入れた娼婦のグリコは、中国系移民のヒョウたちとニセ札造りを始めた。ライブハウスを買い取り、歌手として有名になっていく彼女だったが……。近未来の架空の都市“円都(イェンタウン)”を舞台に、若者たちの姿を描いた作品。
 
■STAFF REVIEW
トラックの荷台に積んだピアノを弾くグリコ。
タトゥーを入れることで自分を変えようとする少女。
「イエンタウンはお前たちの故郷の名前だろうが!」
振り返って「YEN TOWN BAND」の看板を見上げるフェイフォン。
ライフルを空に向けて発砲するランの姿。
 
この映画には数々の名シーンが存在します。もちろんどこが名シーンなのかは観た人それぞれの感じ方次第。しかし、この『スワロウテイル』という映画ほど、印象深いシーンの数が多い映画を僕は知りません。一体それは何故なんでしょう?ただ僕が好きだからだけなのか?それとも何かこの映画には特別な理由があるからのか?
 
この映画がこれほど印象的なのは「音楽がとても映画とFitしている」からだと僕は思います。小林武史と岩井俊二という2つの大きな才能が出会い、そして素晴らしい科学反応の結果、映画と音楽がとてもしっくりと融合したのではないでしょうか。そういう映画は本当に稀ですが、でも存在していて、観ていてとても不思議な感覚になるのです。
 
評論家の中には、ストーリーが分かりづらいとか、言葉が変だとか、奇をてらいすぎだとか色々批判的な意見も聞きますが、この映画は感じる映画だと思います。もっと全体的な視点で観る。そして何より音楽と映像を感じる!僕が思うにこれが「この映画のおすすめの観方」です。
 
岩井俊二を感じてください!
 
 ----- staff  ogasawara -----
 

 

花とアリス

2004 / 135min

 
hana&alice 
 
 
■ストーリー
一目惚れした先輩・宮本と同じ落語研究会に入部した高校生のハナ。ある日、宮本がガレージのシャッターに頭をぶつけて意識朦朧としているどさくさに紛れて、自分が今カノだと信じ込ませることに成功した彼女は、その嘘の為に幼なじみの親友で、モデルを目指すアリスを宮本の元カノ役=共犯者として巻き込んだ。ところが、このことがきっかけで宮本は…。
 
■STAFF REVIEW
「すごいねーハナちゃん。何でもアリだあ。」というアリスの台詞が途中で出てきますが、本当にこの映画は何でもアリです。
 中学生の時から片思いしていた宮本先輩がシャッターに頭をぶつけて気を失ってしまった場面に居合わせたハナは、「私に告白したことも私達が付き合ってることも忘れてるなんて、先輩記憶喪失ですよ!」とありえないウソをつきます。そして更にありえないのが、宮本先輩がこのウソを信じてしまうこと!その為にハナは親友のアリスを巻き込んで、ありえないウソをどんどん重ねていきます。冬の寒い朝、桜並木、縁日、海、バレエ。岩井監督独特の繊細で綺麗な映像や雰囲気、そして印象的な音楽と相まって、その「ありえない」というか「何でもアリ」なストーリーはもはやファンタジーですらあります。
hana&alice 
 そんなファンタジックなストーリーをリアルに見せているのは、ハナとアリス二人の関係。電車でふざけ合ったり、好きな人を隠し撮りしたり、時には本気で喧嘩をしたり。男性が書いた脚本とは思えないほど、女の人なら「あーわかる!この感じ」とキュンとしてしまうシーンばかりです。
 非日常な日常を描いた「リアルファンタジー」な『花とアリス』。観終わった後、乙女心が刺激されること間違いなしです!   ----- staff  maekawa -----