池脇千鶴さっぽろシネマフェスティバル

映画祭レポート


さあ、今回の映画の空気の上映会はなんと女優さんです!
それもあのジョゼ虎の「池脇千鶴」!
映画の撮影中になるかもしれないという状況の中、奇跡的に事務所のOKが出てなんとか開催となりました。
そして全国的にも池脇千鶴の特集上映会は今回が初開催です!
これは映画の空気スタッフも気合いが入りまくりです。
絶対につまらない上映会にはできません。
そのために半年間、何回も何回もミーティングを重ね色々な企画を考えました。

・クイズ「我こそ、いけわキング」・・・・・あれ?問題はどこ?
・スタッフTシャツ限定販売・・・・・・・・この観覧車はひょっとして?
・質問カード・・・・・・・・・・・・・・・直接ちぃちゃんに?
・メッセージカード・・・・・・・・・・・・熱いメッセージを札幌から!

このように映画の空気の上映会はただ映画を観るだけの上映会ではありません。
お客さんが自ら動き参加する上映会です!
参加されたお客さんがこれらの企画を少しでも楽しんでもらえたなら何よりです。

さて、ここからは上映会の様子を簡単にですがレポートしていきたいと思います。
今回の上映会は年末、12月26日の日曜日。
とても忙しい時期ではありましたが、この日程でしか札幌には来れないということでした。
雪が降って飛行機が降りられないという最悪の事態だけは勘弁して、と祈りつつ、
事務所に前日入りを依頼したところ、なんとOKをもらえました。



12月25日(土曜日)

いよいよ明日、半年間の準備期間の集大成、「池脇千鶴さっぽろシネマフェスティバル」本番です!
土曜日はお昼頃に集合して早速作業にかかりました。まずはパンフレット作成。
資金がないボクら映画の空気は基本手作りです。なので今回も表紙だけ発注して残りは全て自分たちで
印刷し、それらを合わせて製本します。それに加えて他の配布物の印刷もやって、まずは一段落。

ホールでの準備時間となりました。この時間になって今回ボランティアで協力してもらう数名の方々
にも参加してもらい、みんなで一斉にロビーの立体展示を作ります。


立体展示

これは上映作品の映画の中の空間を、そのまま現実につくっちゃえ!という映画の空気恒例の企画です。
上映作品は3つあるので、各作品それぞれ作ります。お客さんが実際に手に取って、触って、感覚として
実感することによって、よりその作品の世界観を理解できると思い、いつも作成しています。

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今回はちょっと新しい試みをしました。立体展示の一つをただの「展示物」ではなく、ライブペインティング
という「生の展示」にしたのです。スタッフの一人が絵が得意ということで、今回お願いして当日会場で実際に
絵を描いてもらうという新しい展示です。これは「ストロベリーショートケイクス」で、イラストレーターが
登場し、その人物の描いた絵がちょっとしたキーワードになっているというところからの発想でした。
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「ジョゼと虎と魚たち」では押し入れを作りました。ジョゼのあの部屋の感じを実際にお客さんに体験してもらう
にはとても良かったと思います。
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「大阪物語」の展示はお墓です!映画で実際にあるシーンではありませんが、このお墓が2つ並ぶというのが
ポイントで、映画を観た方には意味が分かるものです。
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どの展示も本当にお金が無い中で作るので、廃棄される発泡スチロールをもらってきて使ったり、図書館から
本を借りてきて展示に使ったりと工夫がたくさんあります。良くも悪くもそれが映画の空気の立体展示です!
お金をかけて作るなら簡単ですが、そうじゃないところ、この手作り感を通してスタッフの映画に対する気持ちを
お客さんに感じ取ってもらいたいのです!



さて、時間は土曜日の19時を回りました。そろそろ千歳空港に池脇さんをお迎えに行く時間です!
今回、なんとか前日入りを了解してもらい、土曜日に来札可能となったのです。
ロビーではみんなが立体展示を作っている中、ボクだけ後ろ髪を引かれながらお迎えに行きます。
12月末の寒い時期です。
事故にだけは遭わないように細心の注意を払っての送迎です。



新千歳国際空港に到着しました。
到着口にて池脇さんとマネージャーさんを待ちます!
ドキドキです!
スタッフはみんな立体展示を作っているので、今回は代表のボク一人で行きました。
乗っているはずの飛行機が「arrived」になりました。
いよいよです。
他のお客さんは出てきてますが、池脇さんはなかなか現れません・・・。
でも乗っているのは間違いないので、この時間が本当に緊張します!

来ましたーーー!
マネージャーさんと2人でゲートを出てきます!
池脇さんはサングラスをかけていたので、一瞬分かりませんでしたがそれでもお互いにすぐに気がつきました。
「はじめまして」
と緊張の中、挨拶です!
池脇さんはちゃんとサングラスを外してしっかり目をみてくれます。
このとき「これは信頼できる人だな」と感じました。
そういうちょっとしたところですが、池脇さんの人柄が見えた気がします。


挨拶を済ませて、早速車にご案内です。
精一杯キレイにはしましたが、ボクの車なので申し訳ない気持ちでいっぱいです。
それでも池脇さんは全然気にする事なく乗ってくれています。
札幌までの車中は、この映画祭を開催することになった経緯やスタッフの想い、今、まさにスタッフが
みんなで立体展示を作っている事など、色々とお話をさせてもらいました。

22時。
ホテルに到着です。
今夜はこれでお別れです。
前日入りできたので、体調万全で映画祭に望んでもらえそうです。
とにかく無事にここまでこれて良かったという思いでいっぱいでした。

スタッフのこの日の作業はこれで終了。
明日に備えて各自しっかり休みます。





12月26日(日曜日)


天気も良く気持ちいい朝となりました。
今日は朝早くから会場の準備に大忙しです。
昨日作った立体展示の仕上げ作業に全員であたります。でも準備は立体展示だけではありません。
劇場内にイスを並べたり、パンフレットなど物販の品物を用意をしたり、クイズ「我こそ、いけわキング」の
問題を会場内に貼り出したり、ロビーで映像を流す準備をしたり、池脇さんへの「質問カード」を用意したり
この映画祭の題字をロビーに取り付けたり、あっという間に時間が過ぎて行きました。
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スタッフTシャツ

今回、スタッフTシャツを作りましたが、皆さんデザイン気になりませんでしたか?
これは「ストロベリーショートケイクス」のパンフレットで登場する観覧車をモチーフに、映画の空気スタッフが自ら撮影した
写真をプリントしたものです。
そしてその撮影したものとは、その観覧車ではなくなんと「ノルベサ」!
東京タワーではなくなんと「テレビ塔」!
札幌ならではのモノで何かないか考えた結果、表は「ノルベサ」裏は「テレビ塔」と、とても良いデザインとなりました。
パンフレットをお持ちの方は見てみてください。どうしてこのデザインにしたのかがよく分かると思います。

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さて、気がつくとそこにはもうお客さんが並んでいるではありませんか!
これはマズいと早速並んでもらう予定の場所にご案内します。やっぱり実際にお客さんを目にすると
緊張感と実感がグッと湧き上がります!

ついに開場の時間です。
映画の空気ではいつも開場の直前に円陣を組んでいます。そして声を出してみんなで気合いを入れて開場するのです。

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「エイガノクウキ イクゾーーー!」
「オーーーー!」

やっぱり最初が肝心です。
せっかく楽しみにして来場してくれたお客さんをスタッフみんなで元気にお出迎えです!

もぎりも順調に進み、次々とお客さんが劇場に入って行きます。
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そして最初の作品、「大阪物語」の上映開始です。
池脇千鶴の映画デビュー作品であり初主演作品である「大阪物語」は、日本アカデミー賞ほか数々の新人賞を受賞した
作品です。故市川準監督が「彼女と出会ったことがこの映画を作るきっかけになった」というこの作品は、未だ
DVD化されておらず、レンタルでもほとんど見つける事ができません。他にも沢田研二や田中裕子、若い頃の
千原兄弟なども出演しております。古い作品なのできっと初めて観た方も多かったのではないでしょうか?
とっても貴重な機会だったと思います。

「大阪物語」の上映が終わりました。
お客さんのお昼休憩の時間です。この時間を利用して、池脇さんへの「質問カード」を受け付けたり、池脇さんへの
「メッセージカード」を募集したり、お客さんの中にはクイズ「我こそ、いけわキング」の問題を探し出して回答
している方もいるようでした。

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クイズ「我こそ、いけわキング」

これは池脇千鶴さんに関するクイズです。全部で9問あります。全問正解の方にはそれは素晴らしいプレゼント!
なんと舞台上に上がってもらい、池脇さんご本人にサインをしてもらうというものです!そのため皆さん本気で
回答されていたようですが、そこは映画の空気、普通のクイズはやりません。
実は9問中、3問は問題が書いてないのです。何故かというと、問題自体が会場のどこかに隠されているのです!
全問正解するためには、まずその問題を探し出さなくてはいけません。その問題を求めてお客さんが動く動く!
一つ難しいところに隠してありましたが、皆さん全部見つけられたみたいですね。
こんな上映会は全国どこにもないでしょう。映画を観にきて動かないといけないなんて(笑)
楽しかったですよね!

あなたも挑戦!
クイズ「我こそ、いけわキング」!(問題と解答はこちら


メッセージカード

お客さんに書いて頂いた「池脇さんへのメッセージカード」はきちんとアルバムにして、後日ご本人にお渡ししました。
とても喜ばれていましたよ。

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そして2作品目。
「ジョゼと虎と魚たち」の上映開始です。
この作品は犬童一心監督によるもので、池脇千鶴さんは不思議な雰囲気を持つ足の不自由な女の子を演じ、第18回高崎映画祭 最優秀主演女優賞を受賞しました。物語はその女の子と平凡な大学生の青年(妻夫木聡)との恋の行方を、大阪を舞台にきめ細やかな心理描写と美しい映像で綴っています。脚本は渡辺あや、音楽は本作がサウンドトラック初担当のくるりです。
この作品で池脇千鶴さんを知った方もきっと多いのではないでしょうか?人気俳優の妻夫木聡さんとの共演も
話題になったこの作品。改めて劇場で観て、公開当時とはまた違った感想をもつ方も多かったようです。


さて、「ジョゼと虎と魚たち」の上映中のことです。
スタッフルームで来場者数のチェックなど一段落したところで、「来ました!」の連絡が。
そうです!
池脇さんが会場入りしたのです!
騒然とするスタッフの中、挨拶したあと、とりあえず楽屋へご案内して今日のスケジュールの確認をします。
そしてロビーで映画の空気スタッフが一生懸命作った立体展示を観てもらいました。

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「すご~~い!」
「これ作ったんですか!」
「おもしろーい!」

と喜んでもらえている様子。
それを見てスタッフ一同ほっと一安心です。
池脇さんもこれまで色々な映画祭に行かれていると思いますが、きっとこんな映画祭は初めてだったと思います。


「ジョゼと虎と魚たち」の上映が終わりました。
次はいよいよトークイベントの時間です。
舞台上ではトーク用のイス、テーブルを出したり、マイク、お水を用意したり、トークイベントの準備が着々と
進んでいきます。その間もお客さんはざわざわして落ち着かない様子。お客さんの期待がこちらまで伝わってきます。

そんな中、ついに時間となりました。
司会は、今回初めて司会をお願いすることになったフリーアナウンサーの土上明子さんです。
土上さんは、TVH「旅コミ北海道」やFMノースウェーブでのアナウンスなど様々な活動をされている方で、なんと
野菜ソムリエの資格もお持ちの方です。

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その土上さんの呼び込みで、ついに池脇千鶴さんが舞台上に登場です!

「それでは池脇千鶴さんの登場で~す!」

会場は今日一番の盛り上がり!
当然ですね。僕らスタッフも「ついにあの池脇千鶴を呼んだぞ」という実感がこみ上げてくる瞬間でした。
トークの内容は、池脇さんの映画に対する想いだったり、撮影時のエピソードなど様々でした。

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そしてお客さんが直接ちぃちゃんに質問するコーナーとなりました!
これはお客さんが書いた質問カードに池脇さんが答えてくれるものですが、なんとお客さんが自分自身で
池脇さんに質問できるという企画です。司会の土上さんが質問カードに書いてある名前をお呼びして
質問してもらいました。
池脇さんと直接話せるなんてもう一生無いことだと思うので、とても貴重な機会でしたね。

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トークの最後はあのクイズ「我こそ、いけわキング」の結果発表です!
全9問中、果たして全問正解者はいたのでしょうか!?
賞品自体は3つご用意してありました。上映3作品のパンフレットです。
今ではもう手に入らないものばかりで、ただでさえ貴重なものなのにそれにサインしてもらえるなんて!
スタッフからも、うらやましいの声が挙がっていました。

結果、なんと全問正解者がいたのです!
しかもちょうど3名!
奇跡のようなこの展開にスタッフ一同ビックリ!
こんなこともあるんですね。

正解者の皆さんには舞台上にあがって頂き、一言ずつコメントを頂いて
しっかり池脇さんにサインを書いてもらいました。
もちろん握手つきで!
きっと末代までの家宝ですね!

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そして映画の空気スタッフから池脇さんへ花束を贈呈してトークイベントの終了です。


さて、池脇千鶴さんが退場されて5分の休憩後、次の作品「ストロベリーショートケイクス」の上映開始です。
この作品は、魚喃キリコの傑作コミックを『三月のライオン』の矢崎仁司が映画化した作品です。恋の訪れを待つ
フリーターの里子、一途なデリヘル嬢・秋代、結婚願望の強いOLのちひろ、過食症のイラストレーター・塔子といった
女性4人が、それぞれの幸せを求めて人生と格闘し、自らを肯定して生きていくまでを綴るヒューマンドラマで、
池脇千鶴さんは里子を演じています。

「ストロベリーショートケイクス」の上映が終了しました。
これで映画祭は終了です。
最後、終わりの挨拶をしてお客さんからアンケートを頂きました。このアンケートは本当に映画の空気の宝物です。
毎回アンケートには色々なことが書かれてあります。スタッフへの感謝の言葉はもちろんうれしいです。でも
厳しいご指摘も多数頂きます。それは実際にお客さんが感じた事。スタッフみんなで反省会のときにしっかり考えて、
次の上映会に活かして行きます。そうやってこれまで少しずつ少しずつ開催する度に良い映画祭になって来たと
思っております。これからもアンケートへのご協力、是非お願いします。



次の日、池脇さんを空港までお送りしました。
そして札幌へ帰ってくる車の中で感じました。
この映画祭が何事もなく無事に終われて本当に良かったと。今回池脇さんには、忙しい中この寒い札幌に来ていただいて
本当に感謝しております。映画の空気はこれからもずっと池脇千鶴を応援していきます!

今、映画の空気は次回の上映会に向けて準備作業の真っ最中です。色々なアイディアがスタッフから上がっています。
一体どんな上映会になるのか今からボクも楽しみです。

それではまた次の上映会でお会いしましょう!

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